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池田譲教授が 2023年12月24日午後11:30〜午前0:00に放映される NHK Eテレ「サイエンスZERO」(テーマはタコ)にゲスト出演します。

https://www.nhk.jp/p/zero/ts/XK5VKV7V98/episode/te/Q7KGLKG192/


撮影者 川島 菫

海生476 海洋生物生産学特殊講義B (1単位)『鯨類の音響観測と保全』の登録を下記の通り受け付けます。

小林峻助教、有光暁准教授(同化学系)、伊澤雅子名誉教授らの論文が、2023年度日本昆虫学会論文賞を受賞しました。同賞は、日本昆虫学会が発行する英文誌Entomological Scienceまたは和文誌昆虫(ニューシリーズ)に掲載された論文から、毎年2編の論文に授与される賞です。2023年9月16日に佐賀大学で開催された日本昆虫学会第83回大会で授賞式が行われました。

<受賞論文> ※論文の詳細な内容はページ下部に表示しています。
Kobayashi S., Takaoka C., Tanimoto H., Arimitsu S., Izawa M. 2022. Effect of spraying behavior and body size on predators of the big head stick insect Megacrania tsudai (Phasmatodea: Phasmatidae). Entomological Science 25(2): e12508. DOI: https://doi.org/10.1111/ens.12508

 

 

 

<論文内容>

先島諸島と台湾に分布するツダナナフシは、襲われるとミントの香りのする液体を噴射することが知られており、捕食者による攻撃から身を守るためのものだとされていました。しかし、実際に捕食者に対して防御効果があるかどうかは明らかになっていませんでした。また、本種は卵から孵化した際には体長が3㎝ほどですが、成虫になると10㎝を超えるというように、成長に伴い体サイズが大きく変化します。そこで、本研究では防御液の効果と成長に伴う体サイズの変化が天敵からの捕食回避にどのように機能しているかを明らかにすることを目的としました。

蒸留水とツダナナフシから採集した防御液を捕食者と思われる動物に滴下した実験を行った結果、蒸留水の場合には何も反応しませんでしたが、防御液の場合には昆虫や鳥など様々な動物がぬぐい取る行動をしました。この結果から、防御液には捕食者に対して忌避行動を引き起こす効果があることが明らかとなりました。また、体サイズが小さい幼虫のうちは、防御液がなくなっている状態では、昆虫から鳥まで様々な動物に捕食されてしまいましたが、成虫になると防御液がなくても、体サイズの効果により鳥以外の捕食者には捕食されなくなりました。

これまでに我々のチームの研究で、防御液の成分は成長しても変わらないことや*、体色は緑色で鳥が餌植物の葉の色と識別しにくいという背景同調をしていることを**、明らかにしてきました。さらに、本種は卵による海流分散により分布域を拡大していることが示唆されていますが、これは孵化する場所が不確実な分散方法です***。分散先が確定できないと、捕食者が想定できないため、様々な捕食者に対して防御策を講じる必要があります。本種の場合には、幼虫から成虫まで体色を餌植物の色と同調させることで鳥からの識別から逃れると同時に、防御液を噴射することで鳥以外の動物からの捕食も回避していると考えられます。このように複数の防御方法を組み合わせることにより、分散先でもあらゆる動物からの捕食を避けることができると考えられます。本研究の結果は、動物の分散方法の進化と防御機構の進化が関連していることを示唆しています。

 

<関連論文>

* Kobayashi S., Arimitsu S., Takaoka C., Ono T., Izawa M. 2023. Quantitative chemical analysis of defensive secretion of Megacrania tsudai (Phasmatidae) and effect of actinidine on its potential predators. Journal of Chemical Ecology. https://doi.org/10.1007/s10886-023-01441-2

** Kajiwara Y., Kobayashi S., Mochida K., Fujimoto S., Yamahira K., Izawa M. 2021. An attempt of the predation avoidance mechanism of Tsuda’s giant stick insect, Megacrania tsudai (Phasmatodea: Phasmatidae), based on the spectral reflectance of the insect and a Pandanus odoratissimus leaf. The Biological Magazine, Okinawa, 59: 51–56.

*** Kobayashi S., Usui R., Nomoto K., Ushirokita M., Denda T., Izawa M. 2014. Does egg dispersal occur via the ocean in the stick insect Megacrania tsudai (Phasmida: Phasmatidae)?. Ecological Research, 29(6): 1025–1032. DOI: 10.1007/s11284-014-1188-4

 

生物系の小枝圭太助教が2023年度の日本魚類学会奨励賞を受賞しました。
本賞は優れた研究成果をあげ,魚類学の進歩に寄与し,将来の発展が期待される40歳未満の会員が対象です。小枝助教によるハタンポ科魚類の生態学的および分類学的研究ならびにその後の多くの分類学的研究やいくつかの魚類図鑑の出版が日本近海の魚類多様性に関する研究に大きな貢献をしたとして評価されました。
贈呈式は9月1日に2023年度日本魚類学会年会(長崎大会)にておこなわれました。贈呈式に続いて、受賞者講演がおこなわれ、琉球大学からスタートした研究から黒潮流域全域の魚類相を調べるに至った研究の経緯や、過去と現在の魚類相を比較した最近の研究が紹介されました。

 

贈呈式にて瀬能会長より賞状の授与(写真提供:木村清志氏)

受賞者講演には多くの魚類学会員が参加(写真提供:魚類学会若手の会)

懇親会での学会賞受賞者表彰の様子(写真提供:木村清志氏)

2023年8月14日から20日までの7日間、琉球大学において、中國文化大學(CCU)理学院生命科学系との国際合同実習を行いました。今回の実習は、“環境による土壌動物相の違い”がテーマです。CCUからは学部生16名、教員3名(Liao, C-C先生、Chen, Y-H先生、Tseng, I-H先生)が、琉球大学からは学部生12名、教員2名(傳田哲郎、小林峻)、ティーチングアシスタント3名(菊池隼人、東哲平、村上裕実)が参加しました。また、北九州市立いのちのたび博物館の伊澤雅子館長も、久しぶりの開催に合わせて駆けつけてくれました。

実習の様子は こちら(PDF)からご覧いただけます。

⽣物系では毎年、さまざまな公開講座を実施しています。

2023年度は「⾝近な海を楽しもう〜サンゴ礁の⽣物塾」と題して、座学と実地での磯歩き観察を組み合わせた講座を実施しました。

今年度は⼩・中・⾼校⽣含めた7名(+保護者)が受講し、教員2名(中村・⼩枝)が講師を担当しました。

午前中は⻄原キャンパス内の講義室にてサンゴの生物学や、サンゴ礁生態系の基礎についての座学、生きたサンゴの幼生や群体などを実際に観察し、午後からは糸満市の海岸を訪問してイノ-(浅瀬)での⽣物観察と解説がおこなわれました。

参加者は、サンゴ礁のイノー周辺にみられる様々な環境について直に触れつつ、そこに生きるサンゴや棘⽪動物(ナマコやクモヒトデ、ウニなど)、⿂、甲殻類についての新たな発見をする良い機会になったようです。

講座終了後は、各参加者に修了証書が⼿渡されました。

公開講座は来年度も実施予定です。

 

 

現地にてサンゴ礁の説明

生き物たちを直に触れて、学びます

 

 

 

 

 

 

 

7月16日に琉球大学のオープンキャンパスとして理学部体験ツアーが実施され、生物系では3つの企画を提供しました。

66名の定員も満員となるなど、多くの高校生や保護者の方に参加いただくことができました。
在学生との懇談も実施され、生物系を目指す高校生にとっての良い参考になったのではないでしょうか。

≪生物系の企画≫
沖縄の“イマイユ(新鮮な魚)研究”の最前線(小枝)
動物の行動観察:陸産貝類の外来種と在来種の種間相互作用を例に(平野)
在学生との懇談会(伊藤)

標本の展示や映像紹介、市場で購入した魚類の展示等をおこないました

とりわけ県外からの参加者は色とりどりの魚たちをみて驚いていました

             陸貝を使用した実験には参加者の方々も興味津々でした

 

2023年6月30日~7月5日(5泊6日)に生物学野外実習を西表島で実施しました。本科目は本学生物系を特徴づける科目の1つです。今年は、生物系2年次の学生16名、教員は生物系(傳田、小林、平野、今井、小枝)と熱帯生物圏研究センター(戸田、徳田、和智)の教員8名の計24名が参加しました。

今年の実習は、事前講義で理解を深めた後、世界自然遺産地域である西表島の草地から森林、干潟から淡水といった様々な環境に生息・生育する動植物の観察を行うとともに、課題に取り組み、その結果の解析と発表を行うというプログラムでした。西表島での実習1日目と2日目は主に課題の調査、3日目と4日目は様々な自然環境や環境省西表野生生物保護センターを巡り、世界自然遺産地域の自然と保全の現状を学習しました。5日目は課題で取り組んだデータの解析とプレゼンテーションを行いました。課題については、今年も4つの課題を設定し、チームごとに課題のとりまとめを行い、最終日にはまとめた内容のプレゼンテーションを行いました。プレゼンテーションでの議論は白熱し、非常に密度の濃い実習となりました。

来年も西表島で実施予定です。

後良(しいら)川河口での集合写真。

西表研究施設内に設置した自動撮影カメラのデータ回収。

昆虫トラップで捕獲した昆虫のソーティング。

訪花昆虫の観察。

夜間に実施したライトトラップ。

満潮時の魚類相を調べるために、潮が引いている間に曳網を設置。

大見謝川河口付近でテナガエビの解説。

高那海岸におけるビーチコーミングで集めた漂着種子。

浦内川上流に向かう途中での山地の植物の解説。

プレゼンテーションのための解析と準備。チーム内で議論中。

結果をとりまとめて、プレゼンテーション。

西表野生生物保護センターの見学①。

西表野生生物保護センターの見学②。野生動物のロードキル対策の解説。

6月24—25日にかけて生物系の1年次と3年次が参加する1-3年次研修を渡嘉敷島国立沖縄青少年交流の家にて実施しました。
コロナ渦以降、実施できていなかったため数年ぶりの開催となります。
天気にも恵まれ、両日ともに快晴のなか進められました。

研修は3年次主導で企画・実施され、1年次から40名、3年次から20名、各年次指導の教員2名(須田、小枝)の計62名が参加しました。

とりわけ1年次は初めて沖縄の離島を訪れる学生も多く、沖縄島とはまた違う自然環境(特に海の色)をみて大きな歓声をあげていました。
島に到着後は、3年次が企画したレクリエーション企画や海洋研修を実施し、各年次の学生間だけでなく年次を越えた交流もおこないました。

 

体育館を利用したレクリエーション大会

海洋研修ではスノーケリングも実施しました

2o人乗りの大型カヤック

島を離れる前に集合写真

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