研究紹介」カテゴリーアーカイブ

日本のサンゴ礁研究の最前線を紹介する英文書籍「Coral Reef Studies of Japan」が出版されました。

この本は、理学部生物系のポスドク研究員 本郷宙軌さんらが中心となって、琉球列島のサンゴ礁を中心に「オニヒトデ大発生の歴史」や「サンゴの病気」などについて、最新の知見について様々な視点から(生物学や生態学、遺伝学、化学、地学など)とらえた一冊です。

この本はシリーズで出版されている「Coral Reefs of the World」の一冊で,これまでオーストラリアやアメリカなどのサンゴ礁について出版されており、日本のサンゴ礁を対象とした本が待ち望まれていました。

書誌情報
Coral Reef Studies of Japan
井口 亮・本郷宙軌 (編)
出版社:シュプリンガー・ネイチャー・シンガポール
ISBN:978-981-10-6471-5
出版日:平成30年 3月1日
価格:114.99ユーロ(約15,000円)

目次
1.Introduction for this book –general aspects of coral reefs of Japan and related studies (Iguchi Akira, Hongo Chuki)
2.Dissolved organic matter in coral reefs: distribution, production, and bacterial consumption (Tanaka Yasuaki, Nakajima Ryota)
3.Studies on stress responses of corals in Japan (Higuchi Tomihiko)
4.Coral disease in Japan (Wada Naohisa, Ohdera Aki, Mano Nobuhiro)
5.Ocean acidification studies in coral reefs of Japan (Yamamoto Shoji)
6.Frontiers of coral-based sclerochronological studies in Japan (Sowa Kohki, Tanaka Kentaro)
7.Coral reproduction in Japan (Isomura Naoko, Fukami Hironobu)
8.Population genetics of corals in Japan (Nakajima Yuichi)
9.Distribution expansion and historical population outbreak patterns of crown-of-thorns starfish, Acanthaster planci sensu lato, in Japan from 1912 to 2015 (Yasuda Nina)
10.Studies on mesophotic coral ecosystems in Japan (Sinniger Frederic, Harii Saki)
11.The hydrodynamic impacts of tropical cyclones to coral reefs in Japan: current status and future perspectives (Hongo Chuki)
12.Concluding remarks: Future perspectives on coral reef studies of Japan –from biology, earth science, and conservation and restoration (Iguchi Akira, Hongo Chuki)

2017年9月15日~9月18日に北海道大学函館キャンパスにて開催された2017年度日本魚類学会年会にて、理工学研究科博士前期課程1年の林希奈さん(Reimer研究室)らによる「沖縄島西海域におけるクマノミ類の多様性に影響を与える要因」(発表者:林 希奈,James D. Reimer,立原一憲)が優秀口頭発表賞を受賞しました。

左が林希奈さん,右は林さんの同期で,最優秀口頭発表賞を受賞した小林大純さん(琉球大学熱帯生物圏研究センター).

福地順さん(生物系4年次,今井秀行研究室)らによる小型エビ「アキアミ」に関する研究成果が,沖縄タイムスで紹介されました。

詳しくは,下の記事(沖縄タイムス社より許可を得て掲載)を御覧ください。

 

 2017年2月6日(水)、ツシマヤマネコの生態調査のために生物系動物生態学研究室が設置した自動撮影カメラで、国内絶滅種のカワウソの動画が撮影されました。日本のカワウソは明治時代までは全国に生息していましたが、その後分布は減少し、最後に残った四国でも1980〜1990年代に絶滅したとされています。今回の記録は高知県で1979年に最後のカワウソ生体が確認されて以来、国内で38年ぶりのカワウソ生体確認です。

 今の所、対馬で生き残っていたものか、韓国から泳いで来たものか、人為的に持ち込まれたものなのか、いろいろな可能性が考えられます。今後、糞等が見つかれば糞中のDNAからどのような個体がどのくらいいるのかということや、個体の由来がわかってくると思います。(生物系・伊澤雅子教授)

 カワウソ動画はこちらでご覧いただけます(琉球大学公式ウェブサイト,2017年8月17日プレスリリース)。

2017年7月23–29日に中国の深圳で開催された XIX International Botanical Congress において、博士研究員(伊澤雅子研究室)の小林峻さんが Outstanding Student Award を受賞しました。これはすぐれた研究を行っている学生またはポスドクを対象としたもので、小林さんのこれまでの研究業績が評価されました。また、会期中に開催された「Pollination by non-flying mammal」というシンポジウムでは、「Flying and non-flying mammalian pollinators of Mucuna macrocarpa (Fabaceae) and their effect on fruit set」という講演を行いました。

 2017年6月30日に理工学研究科博士課程前期2年の池内絵里さんらによる共同研究の成果「Non-bleached colonies of massive Porites may attract fishes for selective grazing during mass bleaching events」(著者:池内 絵里(琉球大・院・理工),大野良和(現OIST,琉球大・院・理工),井口 亮(沖縄高専・生物資源),中村 崇(琉球大・理・JST/JICA SATREPS))が国際誌のPeerJに掲載されました。

 本研究は、2016年夏季に沖縄県内の石西礁湖で起こった大規模サンゴ白化現象時の調査結果をまとめたもので、塊状ハマサンゴ群体の中でも、魚類が白化していない群体をより選択的に齧り取っていることを初めて示しました。一般的に高温ストレスに強く白化しにくいとされる塊状ハマサンゴ類における白化データも含まれた貴重な研究成果です。

 論文(英語)は右のリンクから無料で閲覧いただけます。https://peerj.com/articles/3470/

 

写真1:石西礁湖での大規模なサンゴの白化現象

 


写真2:白化したハマサンゴ

このたび、大学院博士前期課程・海洋自然科学専攻(生物系)の宇田川伸吾さん(M1)、櫛田優花さん(M1)、マレーシア出身の研究生・黄田武(Wee Hin Boo)さんの3名が、平成29年度笹川科学研究助成を獲得しました。更に櫛田さんは、公益財団法人水産無脊椎動物研究所2017年度個別研究助成金も併せて獲得しました。いずれの研究助成も、独創性のある研究を奨励・支援するものです。

 

平成29年度笹川科学研究助成
宇田川伸吾(竹村明洋 研究室)
採択課題名:魚類の活動周期に影響を与える水圧情報伝達の脳内神経ネットワークの解明

櫛田優花(James D. Reimer 研究室)
採択課題名:浅海性ウミエラ類の多様性および系統学

黄田武(James D. Reimer 研究室)
採択課題名:イワスナギンチャクの体内における褐虫藻の多様性と微環境に関する研究

 

公益財団法人水産無脊椎動物研究所 2017年度個別研究助成金
櫛田優花(James D. Reimer 研究室)
採択課題名:ウミエラ類の多様性および系統

 

 

ウミエラ(櫛田さんの研究材料)

2016年12月1日-4日に沖縄タイムスビルにて開催された第19回日本サンゴ礁学会にて、理工学研究科博士前期課程1年の池内 絵里さんらによる「魚類食痕による塊状ハマサンゴの状態評価」(発表者:池内 絵里 (琉球大・院・理工),井口 亮 (沖縄高専・生物資源),中村 崇 (琉球大・理,JST/JICA SATREPS))が最優秀ポスター賞に選定されました。

本研究では、塊状ハマサンゴ群体において,魚類によるかじり痕密度に群体差ができる要因について,群体の白化のしやすさと関連付けて調査することで,魚類が高温ストレスに強い塊状ハマサンゴを選択的に齧り取っている可能性が初めて示唆されました.

%e5%9b%b31

%e5%9b%b32

アメリカの大学をはじめ世界中で広く使用されている著名な教科書 Developmental Biology (10th Edition, 2014) (翻訳版『ギルバート発生生物学』) および Ecological Developmental Biology (2nd Edition, 2015)(翻訳版『生態進化発生学』)に大瀧研究室の二つの論文(下記参照)が引用されました。環境によるチョウの翅の色模様変化が遺伝的に同化されうることを示した本学での研究が、自然環境における遺伝的同化の決定的な例として紹介されています。

Hiyama A, Taira W, Otaki JM (2012) Color-pattern evolution in response to environmental stress in butterflies. Frontiers in Genetics 3: 15.

Otaki JM, Hiyama A, Iwata M, Kudo T (2010) Phenotypic plasticity in the range-margin population of the lycaenid butterfly Zizeeria maha. BMC Evolutionary Biology 10: 252.

沖縄県の県魚「グルクン」(タカサゴ)が,その近縁種と雑種を形成することを明らかにした賀数大吾さん(理工学研究科M2,生物系・今井秀行研究室)らの研究成果が,琉球新報で紹介されました。

詳しくは,下の記事(琉球新報社より許可を得て掲載)を御覧ください。

平成28年2月13日朝刊 5面(琉球新報社提供)

1 / 3123