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博士研究員の小林峻さん(生物系・伊澤雅子研究室)が、平成30年度日本植物学会若手奨励賞を受賞し、9月14日から16日に広島で開かれた日本植物学会第82回大会において、表彰式に出席し、受賞講演を行いました。受賞研究タイトルは、「哺乳類媒植物ウジルカンダの送粉者の地域変異」です。送粉生態学の中でも研究が少なかった哺乳類による送粉生態の研究に取り組み、裂開という特殊な送粉メカニズム、花の構造と哺乳類の関係、送粉者シフトを明らかにし、未調査の東南アジアでは、コウモリ類以外の非飛翔性哺乳類に送粉を依存する植物が潜在的に多数あると推定した一連の研究成果が評価されました。

2018年8月13日 プレスリリース

琉球大学の研究者を含む国際的な科学者チームによると、サンゴ礁の構築を可能にするサンゴ類と、微細藻類間の相互関係は、これまでに想定されていたよりもかなり古く多様である。チームの研究では、サンゴ類と藻類の共生関係は、長い歴史の中で数多くの気候変動に耐えており、少なくとも一部は現代の地球温暖化にも耐える可能性が高いことが示唆された。

「過去の推定では、5000〜6500万年前にこれらの共生関係が開始されました。」と、ペン・ステート(米国)准教授であるトッド・ラジュネスは語る。 「しかし我々の研究では、近代のサンゴと共生藻類は、恐竜の時代から約1億6000万年前からずっと長く共生関係を持っていたことを示しています。環境変動によるそれぞれの厳しい局面の後、サンゴ類と共生藻類は、幾度も回復してきました。」とラジュネス准教授は語る。

微細藻類は、一般的に褐虫藻(渦鞭毛藻科 Symbiodiniaceae)として知られており、太陽光からエネルギーを獲得し、多様な海洋生物に利用されている。また、褐虫藻は経済的価値の高いサンゴ礁を構成するサンゴ類の細胞内に住んでいることが知られている。

研究チームは、DNA配列、系統解析、ゲノム比較などの遺伝的証拠を用いて、微細藻類の起源となる年代を算出した。彼らは、微細藻類が以前までの理解より、はるかに多様であることを明らかにするために、分子系統学的な解析結果に沿って、光学顕微鏡と電子顕微鏡を使用し、形態形質を比較する古典的な形態学的手法を用いた。その結果は、2018年8月9日に Current Biology という科学誌にオンラインで掲載された。

琉球大学のライマー・ジェイムズ准教授は、「多くの研究者がこれまで、褐虫藻はただ一つの属に集中していると考えてきました。 遺伝的手法を用いて、我々は、渦鞭毛藻科が、実際には少なくとも15属によって構成され、世界中で数百もしくはおそらく数千種を含んでいるという証拠を提供する。この新しい論文では、属数は1から7に増加し、さらに少なくとも8つの未記載属の可能性があることを明らかにしました。』と話し、これは重要だと彼は説明した。なぜなら、いくつかの共生藻は、他のものよりも環境変動に強いからである。このチームは、十年近くに渡り、褐虫藻の分類の見直しを行ってきた。

また、この論文の他の著者には、米国、韓国、サウジアラビアの大学の研究者が含まれている。

論文タイトル
Systematic Revision of Symbiodiniaceae Highlights the Antiquity and Diversity of Coral Endosymbionts

掲載雑誌
Current Biology
URL: https://doi.org/10.1016/j.cub.2018.07.008

著者
Todd C. LaJeunesse(1), John Everett Parkinson(2), Paul W. Gabrielson(3), Hae Jin Jeong(4,5), James Davis Reimer(6), Christian R. Voolstra(7) and Scott R. Santos(8)

1. Department of Biology, The Pennsylvania State University, 208 Mueller Laboratory, University Park, PA 16802, USA
2. Department of Integrative Biology, Oregon State University, 3029 Cordley Hall, Corvallis, OR 97331, USA
3. Herbarium and Biology Department, University of North Carolina-Chapel Hill, Coker Hall, CB 3280, Chapel Hill, NC 27599, USA
4. School of Earth and Environmental Sciences, College of Natural Sciences, Seoul National University, Seoul 151-747, Republic of Korea
5. Advanced Institutes of Convergence Technology, Suwon, Gyeonggi-do 16229, Republic of Korea
6. Molecular Invertebrate Systematics and Ecology Laboratory, University of the Ryukyus, 1 Senbaru, Nishihara, Okinawa 903-0213, Japan
7. Red Sea Research Center, Division of Biological and Environmental Science and Engineering (BESE), King Abdullah University of Science and Technology (KAUST), Thuwal 23955-6900, Saudi Arabia
8. Department of Biological Sciences and Molette Laboratory for Climate Change and Environmental Studies, Auburn University, 101 Rouse Life Sciences Building, Auburn, AL 36849, USA

問い合わせ先
ライマー・ジェイムズ
琉球大学理学部海洋自然科学科 生物系・准教授
e-mail: jreimer@sci.u-ryukyu.ac.jp
電話:090-7294-9279

 

 

写真1 西表島のサンゴ礁。褐虫藻は経済的価値の高いサンゴ礁を構成するサンゴ類の細胞内に住んでいる。
Photo credit: James Reimer

 

写真2 サンゴ類および他の無脊椎動物は、一般に褐虫藻と呼ばれる丸い金色茶色の微細藻類の高密度集団を含む。 典型的なサンゴ類は、サムネイルのサイズの組織の領域に1〜数百万個の共生細胞を有するであろう。
Photo credit: Todd LaJeunesse

このたび、大学院博士後期課程・海洋環境学専攻(生物系)の Giun Yee Soong さん (マレーシア出身, D1)、Maria Eduarda Alves dos Santos さん (ブラジル出身, D3)、博士前期課程・海洋自然科学専攻(生物系)の濱本耕平さん(M1)の3名(いずれも James D. Reimer 研究室)が国際的な助成金を獲得しました.

1. Giun Yee Soong さん
Malacological Society of London Travel Award
For the attendance of the internal morphology of nudibranch training workshop
At California Academy of Sciences, California, US
In September 2018
£297


ウミウシ Goniobranchus tinctorius (Soong さんの研究材料)

2. Maria Eduarda Alves dos Santos さん
2018 Graduate Fellowship Award by the International Society for Reef Studies
Project Title: Sibling zoantharians: Connectivity and associated zooxanthellae
US$2500
To be conducted at Hawai’i Institute of Marine Biology and University of the Ryukyus

Santos さんがスナギンチャク類を採取している写真(上下とも)

3. 濱本耕平さん
Selected to attend Red Sea Summer Program at KAUST
Award: All costs for round trip to KAUST from Okinawa, and all fees while in KAUST covered.
(濱本さんはKAUST[キング・アブドゥッラー科学技術大学,サウジアラビア]にて開催されるサマーインターンシップに応募し、60倍の競争率の後に合格しました。このインターンシップは、紅海の特徴的な環境を対象に、生物学の基礎を学ぶ目的で開催されており、本学からの学生の参加は初めてです。)


サマーインターンシップのポスター

平成30年5月18日–19日に福島県いわき市にて開催された、第8回太平洋・島サミット(PALM8)において、本学理学部の中村崇准教授が日本側代表者としてパラオ共和国にて実施された、地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)のひとつである「サンゴ礁島嶼系における気候変動による危機とその対策」プロジェクト(https://www.jst.go.jp/global/kadai/h2403_palau.html)の成果が首脳宣言に盛り込まれました。

このプロジェクトは、平成25年度(2013年4月)~平成30年度(2018年3月)に、国際協力機構(JICA)と日本科学技術振興機構(JST)の支援の下で実施され、琉球大学、パラオ国際サンゴ礁センター、パラオ短期大学が日本とパラオのそれぞれのカウンターパートとして連携しつつ、パラオ共和国にて、自然科学的・社会科学的な分析・評価を通じた、気候変動影響下におけるサンゴ礁生態系の持続的な維持管理に資する新たな知見・課題の抽出、パラオの自然保護官・短大生・高校生へのトレーニングなどの人材育成、パラオの自然を紹介するガイドブックの発行と、教材としての現地高校・短大への無償提供、科学的成果に基づいた上下院議員団への政策提言や各州政府および政府機関への提言書の提出などを行いました。

 

プロジェクトFaceBookページ: https://ja-jp.facebook.com/pcorie/

 

首脳宣言における科学技術分野に関する記載(抜粋)
(中略)首脳はまた,地球規模課題対応国際科学技術協力プログラムを通じたパラオにおける珊瑚礁及び沿岸生態系の持続可能な管理に関する提言及び能力構築の成果並びにこうした取組がその他の太平洋諸島フォーラム島嶼国によって採用される潜在性を認識した。

 

 

パラオのサンゴ礁生物相の潜水調査

 

現地若手研究員らを対象としたフィールドでの環境観測実習

 

住民を対象にした説明会

 

プロジェクトで発行したパラオの自然ガイドブック発行式典の案内

 

パラオ短期大学構内に整備された、国内初の遺伝子実験施設

 

パラオでの保全政策を立案する際に、科学的知見を基にして進めることを謳った
「Science and Policy Dialogue call for action」への上下員議員議長らによる署名式

    

<背景及び成果など>
パラオ国では、ミクロネシア地域各国との共同宣言である「ミクロネシア・チャレンジ(MC)」を宣言し、2020 年までに沿岸海域の30%と陸地の20%を保全区域とすることを目標に活動を行っており、国内ではPAN (Protected Areas Network)法を施行することで、サンゴ礁島嶼生態系の保全をおこなっています。PAN保護区域の多くは、漁業者が行く世代にわたって伝えてきた伝統的知識や、漁業対象生物についての経験的知見を基礎とした区域設定がされており、さらに州ごとの保護対象や手法(期間やサイズ制限など)もまちまちでした。パラオではMCに対しての保護区設定を進めたいが、その根拠となる科学的データが圧倒的に不足していたため、本プロジェクトでは、パラオ側ニーズとしてのサンゴ礁島嶼生態系の保全に資する科学的根拠を提供すべく、サンゴ礁環境およびサンゴ礁生物群集の現状把握や環境影響推定を行うことで、特にMPA(Marine Protected Area)についての科学的分析と将来に向けた効率的維持管理に資する知見抽出を進めました。例えば、海側の視点から考えると、生物調査を基にした各海域での主要生物群の現状、環境動態・傾向の明確化や海流や潮汐による生物幼生の分散がもたらす地点間の遺伝的連結性を明らかにすることによって、より論理的かつ実効性の高いMPA配置や重点保護区化などについての提案が可能になると考えられます。

プロジェクトでは、科学的基礎データ取得に必要不可欠ともいえるサンゴ礁域での定点モニタリングや調査手法の確立、基礎データを基にした保全策提案が重要であるという認識の下、プロジェクト期間中の継続計測・観測結果のパラオ国への提供とともに、プロジェクト修了後の各種モニタリング手法の引継ぎが進められました。また、これらの調査は、プロジェクト終了後にカウンターパートであるPICRC(パラオ国際サンゴ礁センター)の研究員が実施する事で、永久方形区でのサンゴ礁生物調査と、各地点での水温や水質測定などが将来にわたってパラオ国で実施される予定です。

また、生物多様性解析の主要な柱である生物標本管理のための標本データベースが作られ、複数の未記載種や新種が見つかっています。それらの標本の多くは、琉球大学にて保管されています。さらに、カウンターパートであるPCC(パラオ短期大学)にて、本プロジェクトによる供与機材を中心に構築された遺伝子実験施設における遺伝子抽出・解析が確立され、同時に、プロジェクトで派遣した専門家らによるパラオ国内の若手育成と併せて実施されました。

これらの研究成果の一つとして、Ngermid湾(ニッコー湾)と呼ばれるパラオ最大の人口密集地に隣接した半閉鎖的海域において、高水温・低pH化が進むであろう将来の海洋環境が既に成立していること、その環境中にもかかわらず多様なサンゴ礁生物群が見つかること、さらに、湾外やパラオ周辺の多地点と比べて、湾内に生息する同種生物の遺伝的な特異性が判明したことや、湾内個体群での高水温耐性、低pH耐性などが示唆されたことから、同湾の生態系保全の重要性をパラオ政府および関連するコロール州へ提言するに至っています。

一方、経済活動を観光資源や水産資源に依存するパラオ国において、持続可能な社会を維持していく上では、気候変動対策だけではなく、さまざまな地域環境変化と社会的な意識変化を把握しつつ、地域レベルでの環境変動や生物学的データに基づいたサンゴ礁保全対策を立案し、実践する必要があります。そのため、本プロジェクトでは、自然科学の分野のみではとらえにくい、陸での人間活動と生態系との潜在的なつながりを社会科学的な側面からも明確化しつつ、経済・社会影響としてとらえることを視野に入れた、全国的な社会科学調査が実施されました。本プロジェクトの実施期間中(2013~2018)には、パラオ国における海外からの観光客数が約50%近く増加した時期と重なり、その影響は、パラオの経済や社会に大きな影響を及ぼしていたと考えられています。実際に、本プロジェクトでは、その初期に全国規模のアンケート調査を行い、得られた回答を解析することにより、パラオ各州での観光開発への意識の違いや、社会的なサンゴ礁島嶼生態系保全のとらえられ方、利用についての考え方、近年の観光需要急増とその負の影響への認識なども浮き彫りとなりました。また、急激な観光需要の変化にともない現地マリンレジャー産業にも、海外からの展開をはかる業者の影響からか、海域利用のモラル低下・環境意識の低下(ごみ投棄や餌付け、ダイバーによる生物の持ち帰りなど)がみられるようになっていたことから、本プロジェクトではパラオ初となる「Green Fin(事業者主体でのマリンツーリズム環境負荷評価スキーム)」の導入支援のためのワークショップ開催や、社会科学系の成果を基にした現地マリンレジャー業者らへのフィードバックを兼ねたセミナーの実施、PAN事務局との連携による州保護官(レンジャー)の現地トレーニング支援を進めました。

本プロジェクトでは、科学的な知見、持続的かつ自律的なパラオ国でのサンゴ礁保全政策のアイデアを現地で実際に活動を行っているレンジャーや地元の重要なステークホルダーでもあるNPO/NGOと共有しながら、研究成果を基にした産業・行政への政策提案をパラオ政府の上下院議員団らに説明するなどの活動をおこないました。その結果、パラオでの保全政策を立案する際に、科学的知見を基にして進めることを謳った「Science and Policy Dialogue call for action」への上下員議員議長による署名がおこなわれました。このほか、プロジェクトの様々な研究や人材育成などの成果を共有するべく、セミナーを毎年開催し、最終年度には科学的知見に基づいた政策提言を示すセミナーを計3回(9月・12月・2月)開催し、そのうち2017年12月と2018年2月のセミナーでは、カウンターパートの協力を得て、科学的成果と政策案をそれぞれパラオ語に翻訳しながら、国内向けラジオ放送およびYouTubeでのセミナー映像公開(https://youtu.be/5TziviJUuyI)をおこないました。また、個別に流域管理を進めたいと考えているAirai州や、ニッコー(Ngermid)湾の保全方法を検討しているNgermid自治体(Koror州)、海面上昇および台風による高潮被害対策を検討しているMelekok州などで、州政に関わる知事・行政官や地域住民を対象としたコミュニティーミーティングを実施しました。

最終的には、科学的成果の詳細を、一般には伝わりにくい学術論文としてだけでなく、パラオ国内のステークホルダーとなる政府機関および各州に分かり易く説明するため、PICRCが正式な行政報告書の一つとして発行している「Technical Report」形態をとることで、より受け入れられやすくするための工夫をおこないました。さらに、政策提言の各項目に関連する政府機関や州に対して、カウンターパートであるPICRCから政策提言の要約とTechinical Reportを合わせたパッケージが3月末に提出されました。

日本のサンゴ礁研究の最前線を紹介する英文書籍「Coral Reef Studies of Japan」が出版されました。

この本は、理学部生物系のポスドク研究員 本郷宙軌さんらが中心となって、琉球列島のサンゴ礁を中心に「オニヒトデ大発生の歴史」や「サンゴの病気」などについて、最新の知見について様々な視点から(生物学や生態学、遺伝学、化学、地学など)とらえた一冊です。

この本はシリーズで出版されている「Coral Reefs of the World」の一冊で,これまでオーストラリアやアメリカなどのサンゴ礁について出版されており、日本のサンゴ礁を対象とした本が待ち望まれていました。

書誌情報
Coral Reef Studies of Japan
井口 亮・本郷宙軌 (編)
出版社:シュプリンガー・ネイチャー・シンガポール
ISBN:978-981-10-6471-5
出版日:平成30年 3月1日
価格:114.99ユーロ(約15,000円)

目次
1.Introduction for this book –general aspects of coral reefs of Japan and related studies (Iguchi Akira, Hongo Chuki)
2.Dissolved organic matter in coral reefs: distribution, production, and bacterial consumption (Tanaka Yasuaki, Nakajima Ryota)
3.Studies on stress responses of corals in Japan (Higuchi Tomihiko)
4.Coral disease in Japan (Wada Naohisa, Ohdera Aki, Mano Nobuhiro)
5.Ocean acidification studies in coral reefs of Japan (Yamamoto Shoji)
6.Frontiers of coral-based sclerochronological studies in Japan (Sowa Kohki, Tanaka Kentaro)
7.Coral reproduction in Japan (Isomura Naoko, Fukami Hironobu)
8.Population genetics of corals in Japan (Nakajima Yuichi)
9.Distribution expansion and historical population outbreak patterns of crown-of-thorns starfish, Acanthaster planci sensu lato, in Japan from 1912 to 2015 (Yasuda Nina)
10.Studies on mesophotic coral ecosystems in Japan (Sinniger Frederic, Harii Saki)
11.The hydrodynamic impacts of tropical cyclones to coral reefs in Japan: current status and future perspectives (Hongo Chuki)
12.Concluding remarks: Future perspectives on coral reef studies of Japan –from biology, earth science, and conservation and restoration (Iguchi Akira, Hongo Chuki)

2017年9月15日~9月18日に北海道大学函館キャンパスにて開催された2017年度日本魚類学会年会にて、理工学研究科博士前期課程1年の林希奈さん(Reimer研究室)らによる「沖縄島西海域におけるクマノミ類の多様性に影響を与える要因」(発表者:林 希奈,James D. Reimer,立原一憲)が優秀口頭発表賞を受賞しました。

左が林希奈さん,右は林さんの同期で,最優秀口頭発表賞を受賞した小林大純さん(琉球大学熱帯生物圏研究センター).

福地順さん(生物系4年次,今井秀行研究室)らによる小型エビ「アキアミ」に関する研究成果が,沖縄タイムスで紹介されました。

詳しくは,下の記事(沖縄タイムス社より許可を得て掲載)を御覧ください。

 

 2017年2月6日(水)、ツシマヤマネコの生態調査のために生物系動物生態学研究室が設置した自動撮影カメラで、国内絶滅種のカワウソの動画が撮影されました。日本のカワウソは明治時代までは全国に生息していましたが、その後分布は減少し、最後に残った四国でも1980〜1990年代に絶滅したとされています。今回の記録は高知県で1979年に最後のカワウソ生体が確認されて以来、国内で38年ぶりのカワウソ生体確認です。

 今の所、対馬で生き残っていたものか、韓国から泳いで来たものか、人為的に持ち込まれたものなのか、いろいろな可能性が考えられます。今後、糞等が見つかれば糞中のDNAからどのような個体がどのくらいいるのかということや、個体の由来がわかってくると思います。(生物系・伊澤雅子教授)

 カワウソ動画はこちらでご覧いただけます(琉球大学公式ウェブサイト,2017年8月17日プレスリリース)。

2017年7月23–29日に中国の深圳で開催された XIX International Botanical Congress において、博士研究員(伊澤雅子研究室)の小林峻さんが Outstanding Student Award を受賞しました。これはすぐれた研究を行っている学生またはポスドクを対象としたもので、小林さんのこれまでの研究業績が評価されました。また、会期中に開催された「Pollination by non-flying mammal」というシンポジウムでは、「Flying and non-flying mammalian pollinators of Mucuna macrocarpa (Fabaceae) and their effect on fruit set」という講演を行いました。

 2017年6月30日に理工学研究科博士課程前期2年の池内絵里さんらによる共同研究の成果「Non-bleached colonies of massive Porites may attract fishes for selective grazing during mass bleaching events」(著者:池内 絵里(琉球大・院・理工),大野良和(現OIST,琉球大・院・理工),井口 亮(沖縄高専・生物資源),中村 崇(琉球大・理・JST/JICA SATREPS))が国際誌のPeerJに掲載されました。

 本研究は、2016年夏季に沖縄県内の石西礁湖で起こった大規模サンゴ白化現象時の調査結果をまとめたもので、塊状ハマサンゴ群体の中でも、魚類が白化していない群体をより選択的に齧り取っていることを初めて示しました。一般的に高温ストレスに強く白化しにくいとされる塊状ハマサンゴ類における白化データも含まれた貴重な研究成果です。

 論文(英語)は右のリンクから無料で閲覧いただけます。https://peerj.com/articles/3470/

 

写真1:石西礁湖での大規模なサンゴの白化現象

 


写真2:白化したハマサンゴ

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