2017年6月23日から28日にかけての6日間、西表島で生物学野外実習をおこないました。梅雨明けの抜けるような青空のもと、暑さには苦しめられましたが、事故もなく無事日程を終えることができました。実習中は、砂浜、マングローブ、山地、渓流など、様々な場所に出かけて豊かな自然に触れ、西表島でしか見られない貴重な生物にも数多く出会いました。限られた日数ではありましたが、参加した学生達は充実した時間を過ごせたのではないかと思います。
今回の実習は、琉球大学COC事業の地域志向教育推進経費の補助を受けて実施されました。このため、生物の観察に加え、人間の営みと自然環境の関わりという観点から、地域が抱える問題についても考えました。また、網取にある東海大学沖縄地域研究センターを訪問し、島の歴史や文化についても貴重な話を伺いました。東海大学の皆さんには、この場を借りて改めて御礼申し上げます。
マングローブ内の道無き道を進んで辿り着いたニッパヤシの群落
多くの生物がロードキルの犠牲になっています。西表島を代表する生物、
特別天然記念物のイリオモテヤマネコも例外ではありません。
南風見田の海岸では漂着ゴミの多さを実感し、改めてゴミ問題について考えさせられました。
網取にある東海大学沖縄地域研究センターでは、網取周辺の自然や、
廃村になった網取集落の話など、貴重で興味深い話を伺うことができました。
夜間におこなったライトトラップ。夜遅くまで捕まえた昆虫の種名を調べました。
浦内川のカンピレーの滝では、河川の魚類や渓流沿いの植物について学びました。
この実習で学んだことをきっかけに、ますます生物への興味が深まることを期待します!
2017年6月12日
今年4月に入学したばかりの1年次対象の基礎ゼミⅠ.この科目は,生物系の各教員が個別に5~6名の学生の指導を行う科目です.6月9日に伊澤が担当しているクラスでは,実験動物として飼育しているツダナナフシが毎日排泄する糞を活用した,糞染め体験を行いました.ツダナナフシは,日本では西表島,石垣島,宮古島に分布する昆虫で,アダンという海岸林に生育する植物の葉っぱのみを餌としており,非常に面白い生態をもつ昆虫です(研究内容については伊澤研究室HPをご覧ください).葉っぱしか食べない本種の糞はとてもきれいで,染め物にも使えます.今年は,大学院生の指導のもと,糞染め体験を行いました.完成品を想像しながら,輪ゴムで布を縛り,思い思いに模様をつけ,染色していきます.今年はみなさん上手に染色できたと思います!
染色中!糞から煮だした染色液に布を入れて煮ます.
待ち時間は,院生によるツダナナフシの研究紹介を行いました.
完成した作品を持って記念撮影!
2017年4月13日
このたび、大学院博士前期課程・海洋自然科学専攻(生物系)の安里聖貴さん(現在M1)が、平成29年度笹川科学研究助成を獲得しました。
平成29年度笹川科学研究助成
安里聖貴(今井秀行 研究室)
採択課題名:島嶼間におけるアオリイカ小型種の遺伝的分化の解明を目的とした集団遺伝学的研究
参考リンク:生物系学生3名が平成29年度の研究助成金を獲得
2017年3月31日
本実習(進化生態学特別実験IV)は台湾の中國文化大學と合同で行う学部生(2〜4年生)対象の国際教育プログラムです。2017年8月19日(日)〜8月25日(金)の7日間、台湾(中國文化大學・華林実験林場)での実習と亀山島(宜蘭縣)へのエクスカーションを予定しています。登録に先立って、2017年4月11日(火)12:00より、理528室で説明会を行います。受講希望者は必ず参加してください。やむを得ず説明会に参加できない場合は、事前に伊澤か傳田まで連絡してください。
2017年3月27日
2017年3月14日–18日に早稲田大学早稲田キャンパス(東京)で開催された第64回日本生態学会大会において、生物系4年次の林希奈さんらによる研究発表「沖縄島のリーフエッジにおけるクマノミ類の繁殖コロニーの安定性」(発表者:林 希奈,James D. Reimer,立原 一憲 (琉球大・理)がポスター賞(動物個体群部門:優秀賞)を受賞しました。
平成29年3月9日(木)、生物系4年次の黒田晃二郞さんが「独立行政法人国立青少年教育振興機構法人ボランティア表彰」において表彰を受け、表彰状授与式が琉球大学学長室で行われました。
詳しくはこちら(大学公式ウェブサイト 2017/03/22付「お知らせ」)を御覧ください。
2017年3月23日
このたび、大学院博士前期課程・海洋自然科学専攻(生物系)の宇田川伸吾さん(M1)、櫛田優花さん(M1)、マレーシア出身の研究生・黄田武(Wee Hin Boo)さんの3名が、平成29年度笹川科学研究助成を獲得しました。更に櫛田さんは、公益財団法人水産無脊椎動物研究所の2017年度個別研究助成金も併せて獲得しました。いずれの研究助成も、独創性のある研究を奨励・支援するものです。
平成29年度笹川科学研究助成
宇田川伸吾(竹村明洋 研究室)
採択課題名:魚類の活動周期に影響を与える水圧情報伝達の脳内神経ネットワークの解明
櫛田優花(James D. Reimer 研究室)
採択課題名:浅海性ウミエラ類の多様性および系統学
黄田武(James D. Reimer 研究室)
採択課題名:イワスナギンチャクの体内における褐虫藻の多様性と微環境に関する研究
公益財団法人水産無脊椎動物研究所 2017年度個別研究助成金
櫛田優花(James D. Reimer 研究室)
採択課題名:ウミエラ類の多様性および系統
ウミエラ(櫛田さんの研究材料)
「第5回千原キャンパス生物写真コンテスト」の審査が終了しました。このコンテストは、琉球大学千原キャンパスで見られる生き物を対象にした、生物系の学生による生物写真コンクールです。今回は11名の学生から20作品の応募がありました。これらの中から、最優秀賞1点、優秀賞5点、入選4点が選出されました。これらの入賞10作品を理427室前の特設掲示板に展示してありますので、みなさん是非一度御覧ください。
琉大キャンパス Biodiversity マラソン実行委員会
原村 隆司 先生(京都大学白眉センター)を講師にお招きして、
講演会「沖縄本島北部に生息するリュウキュウカジカガエルの塩分への適応行動」を開催します。
ふるってご参加ください。
日時:1月18日(水曜日)13:00〜
場所:理学部棟114教室
お問い合わせは
伊澤 雅子(izawa[at]sci.u-ryukyu.ac.jp)
まで。
2016年12月1日-4日に沖縄タイムスビルにて開催された第19回日本サンゴ礁学会にて、理工学研究科博士前期課程1年の池内 絵里さんらによる「魚類食痕による塊状ハマサンゴの状態評価」(発表者:池内 絵里 (琉球大・院・理工),井口 亮 (沖縄高専・生物資源),中村 崇 (琉球大・理,JST/JICA SATREPS))が最優秀ポスター賞に選定されました。
本研究では、塊状ハマサンゴ群体において,魚類によるかじり痕密度に群体差ができる要因について,群体の白化のしやすさと関連付けて調査することで,魚類が高温ストレスに強い塊状ハマサンゴを選択的に齧り取っている可能性が初めて示唆されました.